派遣の抵触日って何?派遣なら知っておくべき!

派遣-指をさすキャリアウーマン

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派遣社員の法律や労務

派遣社員として働いているあなた、「抵触日」という言葉をよく耳にするチャンスはないんですか。

そもそも何が何と抵触するのか、というように疑問を感じている方も多いでしょう。

実はこの大事な「抵触日」について正しく知っておかないと、いざという時に慌ててしまったり、派遣先から退職せざるを得なかったりする可能性もあるので、絶対派遣として働く上で知ってほしいものです。

ここでは、「抵触日」の基礎知識について解説していきます。

抵触日と改正労働者派遣法

派遣という労働形態にもっとも深く関連している法律はこの労働者派遣法でしょう。

2015年10月1日以前は、一般的な派遣労働(販売職など)に関しては、最長三年間の雇用期間が定めており、また財務処理など、特別に指定されたいわゆる政令26業務に関しては、最長雇用期間の制限はありませんでした。

しかし、2015年10月1日の労働者派遣法の改正により、一般派遣労働と政令指定業務の区別がなくなり、同じ部署への雇用期間の上限は一律で最長三年間と適用されるようになりました。

これに伴って、派遣労働者にとって入社して3年間が経ったその翌日が「抵触日」と呼びます。

例えば、2015年10月1日から派遣を始めて、2018年9月30日までしか働けず、2018年10月1日はこの派遣労働者の「抵触日」になるわけです。

というわけで、この法改正により、2018年にいわゆる「2018年問題」が発生しました。

なぜあえてそのような規定を盛り込んだでしょう?

それは、もともと「派遣」という働き方は臨時的な人手不足を補うために存在する、非正規雇用に当たり、政府としてはやはり非正規雇用よりも正規雇用を増やしたいものからです。

もっとも、3年連続で派遣を受け入れるなら、当然慢性的な人手不足と言えるでしょう。

政府は3年以上に派遣として雇用するより、その派遣労働者の直接雇用を企業側に促したいものですね。

ちなみに、今回の法改正もまた派遣労働者の安定雇用義務を派遣会社に課しています。これにつきましては、後ほど詳しく解説していきます。

実は二種類の「抵触日」が存在ってご存知?

実は「抵触日」には二種類が存在しています。

一つ目は、「事業所単位」で、二つ目は「個人単位」です。

事業所単位での抵触日

事業所単位の抵触日は、派遣先の一つの事業所(支社や営業店舗レベル)で、派遣労働者を受け入れられるのはのは最初に受け入れてから3年と定められています。その3年間が経った翌日は「事業所単位での抵触日」といいます。

この「抵触日」を迎えると、もし引き続き派遣労働者を受け入れたいのなら、当該事業所の労働組合もしくは過半数労働者代表と話し合う必要があって、もし合意があればさらに3年間延長できます。

また、その事業所が抵触日を迎えたら、仮にその事業所に個人単位の抵触日をまだ迎えていない派遣労働者がいても、その派遣労働者を引き続き使えません。

個人単位での抵触日

個人単位での抵触日とは、派遣労働者は同じ部署(人事課や経理課レベル)での派遣雇用期間上限が3年と定められており、3年がたったその翌日を「個人単位での抵触日」といいます。

ここで要注意なのは、個人単位での抵触日は事業所単位ではなく、部署単位ですので、同じ事業所であっても、部署さえ移れば引き続き働けます(例えば、人事課で3年働いてから経理課に移ったらさらに3年間働けます)。

以上の二種類の抵触日が同時に効いているので、派遣の皆さんはくれぐれもご自身の抵触日に気を付けましょう。

また、「クーリング期間」という制度もあって、簡単に言うと3年間の派遣が終わったら、3ヶ月の休養を挟めば、また時間制限がリセットされるという制度です。

抵触日がきたらどうするの?

まず、先にもお話しをしましたが、今回の法律改正により、実は派遣会社には「雇用安定促進」の義務が課せられています。

同じ事業所への派遣は3年間と見込めるなら、派遣会社は「雇用安定措置」を講じなければなりません。

同じ企業で安定して働き続けたい場合

もし派遣先の企業で引き続き働きたいのなら、派遣会社を通じて直接雇用の申し出をする方法があります。

ただし、その場合は、派遣先の会社との関係や、個人の能力など、直接雇用の申し出を通してくれない可能性もあるでしょう。

また、直接雇用といっても、必ずしも正社員になれるわけではなく、場合によって契約社員として雇用される可能性もあります。

同じ企業で働き続けたいが、派遣のままでよい場合

先ほどご紹介をしたように、個人単位での抵触日は部署単位ですので、同じ企業で働き続けたいのなら、他の部署に移れば良いでしょう。

ただし、その場合は、新しい部署のため、また新たに覚えないといけない仕事が増えて、さらに自分が積んできた経験やスキルが全く生かせない恐れもありますので、十分に注意してください。

企業よりも自分のやりたい仕事の種類を優先したいのなら、別の企業への転職も視野に入れたほうがよいでしょう。

「抵触日」という制限から逃げる方法も

実は例外的に3年制限を受けない派遣の働き方も存在しています。

それは、派遣会社に「無期雇用」の申請をすることで、派遣先の企業ではなく、派遣会社の社員になることで、派遣社員の3年制限を回避する手段です。

しかし、この方法はあまりおススメできません。

終わりに

いかがでしょうか。

派遣で働いているなら、長くても3年までしか同じ場所で働けないということを頭に入れて、自分のライフスタイルと相談しながら、派遣会社ともしっかり話し合っておくことが大切でしょう。

場合によっては、正社員への転身なども一度でも考えてみてはいかがでしょうか。

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